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札幌地方裁判所 昭和51年(わ)140号 判決 1976年5月12日

本籍

北海道岩見沢市一一条西五丁目八番地

住所

右同所

会社役員

菅原廣

昭和一〇年六月一二日生

事件名

所得税法違反被告事件

公判出席検察官

細田美知子

王文

被告人を懲役八月および罰金七〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判が確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、岩見沢市一条西四丁目において、加藤精肉店という名称で食肉の卸・小売業を営んでいたものであるが、所得税を免れようと企て、売上の一部を除外し簿外預金を設定する等の不正な方法により所得を秘匿したうえ

第一  昭和四七年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、実際総所得金額が二、一一〇万七、四〇五円であり、これに対する所得税額が八五〇万八、四〇〇円であるのにかかわらず、同四八年三月一五日、同市二条東四丁目五番地所在の所轄岩見沢税務署において、同税務署長に対し、総所得金額は三一五万〇、一〇五円であり、これに対する所得税額は三九万二、五〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて被告人の右事業年度の正規の所得税額と申告税額との差額八一一万五、九〇〇円を免れ、

第二  同四八年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、実際総所得金額が二、五七〇万一、〇七九円であり、これに対する所得税額が一、一二一万一、一〇〇円であるのにかかわらず、同四九年三月一五日、前記税務署において、同税務署長に対し、総所得金額は七三七万四、六八〇円であり、これに対する所得税額は一四三万七、八〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて被告人の右事業年度の正規の所得税額と申告税額との差額九七七万三、三〇〇円を免れ、

第三  同四九年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、実際総所得金額が三、四一三万五、五七四円であり、これに対する所得税額が一、四一五万六、一〇〇円であるのにかかわらず、同五〇年三月一五日、前記税務署において、同税務署長に対し、総所得金額は一、一九一万八、八三八円であり、これに対する所得税額は三二〇万二、九〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて被告人の右事業年度の正規の所得税額と申告税額との差額一、〇九五万三、二〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示事実全部につき

一、被告人の当公判廷における供述

一、被告人の検察官に対する各供述調書

一、被告人の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、菅原千枝子の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、大蔵事務官作成の調査事績報告書と題する各書面

一、押収してある所得税の確定申告書綴一綴及び青色申告者書類つづり一綴(昭和五一年押第六九号の1及び2)

(法令の適用)

一、判示各行為 所得税法二三八条一項、二項、一二〇条一項三号

(各罰金刑併科)

一、併合罪加重 刑法四五条前段、懲役刑につき四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第三の罪の刑に加重)、罰金刑につき四八条二項

一、労役場留置 同法一八条

一、刑の執行猶予 同法二五条一項

(裁判官 上原吉勝)

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